「人を傷つけるようなことは言ってはいけない」
確かに人を傷つけることは言わないほうが良いかもしれません。しかし、そこばかりに拘ってしまうと、自分を主張できなくなってしまい、アサーションからは遠ざかってしまいます。
あまりに人を傷つけたくないと思うあまり、いつも控えめにものを言ったり、相手の様子を伺ったりして、非主張的になってしまいます。
また、この考え方の裏には「配慮ができない人を許せない」という気持ちが潜んでいます。「こんなに自分は人に対して配慮ができるのに、何でアナタは配慮ができないのか」という気持ちです。
その結果、少しでも傷つけられたと感じると、相手を必要以上に責めて、攻撃的になってしまいます。
このように、「人を傷つけるようなことは言ってはいけない」という考え方は、アサーションな自己表現を阻害するものです。「人を傷つけることは良くないけれど、どんなに配慮しても傷つけてしまうことはある」というくらいに考えましょう。
傷つけてしまったらそれを認め、次からは気をつけるという姿勢が大切です。逆に、自分が傷ついたら、そのことを穏やかに相手に伝え、次からは気をつけてもらうようにお願いするとよいでしょう。
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