アサーション

「どんな人からも受け入れなければならない」

 人間はできるだけ人から受け入れられたいと望むものですが、これが「受け入れられなければならない」と思い込むと問題になってきます。

 

 人に嫌われないようにするので、自分の意見や主張を言えません。また、相手が気に入る行動をとるので、相手によって自分の行動が決まります。つまり八方美人になってしまうのです。

 

 人間は完璧ではないので、全ての人に愛される行動をとれるわけではありません。また、全ての人を愛するということもできません。

 

 誰にでも合わせるような行動をとっていても、完璧にはできませんし、疲弊してしまいます。自分の意見が言えず、非主張的になるので、とてもアサーションができる状態ではありません。

 

 この思い込みを排除するには、「できれば好かれたいけど、必ず好かれるとは限らない」という考え方をすることです。呪縛から解き放たれることで、さまざまな状況に応じて自分らしい表現ができるようになってきます。

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